[原子力産業新聞] 2002年12月12日 第2165号 <3面>

[加カメコ社] BP社への出資増額

カナダのブルース・パワー(BP)社に15%出資していたカメコ社は11月29日、共同出資者のブリティッシュ・エナジー(BE)社が経営破綻により北米における所有株式を処分することになったのを受けて、財政保証額を一時的に増額すると発表した。

BE社の経営建て直しのため、英国政府は9月に同社に対する緊急財政支援を決定。その際、同社のブルース・パワー社に対する財政保証義務の放棄を条件としていた。2001年当時の出資協定によれば、カメコ社が保証義務を負う限度額は株保有率である15%に準じた1億200万カナダドル(80億6000万円)まで。しかし今回カメコ社は、英国政府の判断を尊重し、財政保証問題を解決するためにも、損失可能な投資限度額を一時的に約1億2500万加ドル(98億8000万円)まで引き上げることを約束したもの。

ただし、カメコ社が英国政府と結んだ別の協定では、株保有率の変更に関する話し合いがまとまれば同社の一時的な増資約束は消滅することになっている。また、交渉が成立しなかった場合、カメコ社の増資約束は今月16日をもって消滅し、同社の財政保証限度額は従来通り1億200万加ドルに戻されるとしている。

交渉により、仮にこれまでBE社が所有していた82.4%のブルース・パワー社株の一部をカメコ社が買い取ることになると決まれば、残りの株式はカナダのボレアリス・キャピタル社およびトランスカナダ社が獲得することになるのではないかと一部のアナリスト達は予想している。


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