[原子力産業新聞] 2002年12月12日 第2165号 <4面>

[サイクル機構] ATRふげん、最後の運転サイクル入り

新型転換炉ふげん発電所(ATR・出力16.5万キロワット)は、6日に発電を再開した。今回がふげん最後の運転サイクルで、来年3月末まで運転する。

今回、計画停止の間に燃料集合体224体のうち、27体を新燃料集合体(うち24体は混合酸化物(MOX)燃料集合体)と取替え、MOX燃料装荷体数は累積で772体となった。

また「ふげん」の廃止措置の準備として、構造物に含まれる放射能量を評価するため、第17回定期検査時等に原子炉廻りやタービン建屋に取付けた放射化箔の一部を回収するとともに、新たに取付けを行った。

先月5日、起動用真空ポンプの運転を開始した際、水撃現象でドレンセパレータが損傷したトラブルに関しては、胴部に溶接部のない新しいものに取替えた。

ふげんは、1978年3月20日、プルトニウム(MOX)燃料22体装荷炉心で最小臨界を達成。

翌年3月20日、プルトニウム燃料96体を装荷して、電気出力16万5000キロワットの原子力発電所として本格運転を開始した。MOX燃料に利用されたプルトニウムは、運転開始当初は海外からの輸入プルトニウムだったが、1981年9月以降に装荷されたMOX燃料には、東海事業所の再処理工場で国内の軽水炉の使用済み燃料から回収されたプルトニウムを利用。国内でのMOX利用実績に大きく貢献した。


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