[原子力産業新聞] 2003年1月7日 第2167号 <2面>

[米国研究評議会]ITER復帰を勧告

 米国研究評議会(NRC)の「燃焼プラズマ評価委員会」は12月20日、米エネルギー省(DOE)のオーバック科学局長に、米国の国際熱核融合実験炉(ITER)計画への復帰を促す報告書を提出した。同報告書は、「米国の核融合界にはITER復帰に向けた交渉を開始すべきとの、明確なコンセンサスがある」と述べている。

 この報告は、米国がITER復帰交渉に入るべきか否かという、DOEから出された諮問に答えたもので、国内の核融合研究を振興しつつ、ITERへの参加が必要とし、このためには多額の追加予算が必要になるとしている。また米国が復帰する場合、ITERの全データへのアクセス、実験の企画・実施、高度技術機器の製造などが最低限必要としている。

 必要な予算については、現在の五十億ドルとのITER建設費見積に、機器等の研究開発費等が含まれていないと指摘、DOEの核融合科学諮問委員会(FESAC)が出した今後十年間にわたり年間一億ドルとの見積に加え、ITER支援業務と国内の核融合研究振興のために、さらに年間五千万〜一億ドル程度が必要としている。

 この上で、復帰交渉にあたって同省に次のように求めている。

▽ITERへの全面参加にかかる費用の算出

▽参加シナリオの検討

▽ITER参加による国内の核融合研究計画への影響の検討

▽復帰交渉を科学・技術面から支援する専門家グループの創設


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