[原子力産業新聞] 2003年1月7日 第2167号 <3面>

[ブルガリア] コズロドイ原発、ピアレビューは今年前半に実施

 ブルガリアのエネルギー省は先月、欧州委員会(EC)によるコズロドイ原子力発電所(VVER六基)のピアレビューは今年の前半に実施が持ち越される見通しになったことを明らかにした。

 同省の広報官によると、コペンハーゲンでのEU理事会ではEUの拡大について審議される予定だったが、ブルガリアのEU加盟条件となっている3、4号機(各四十四万キロワット、第一世代のVVER)の早期閉鎖問題が取り上げられるかどうかはこの時点では不明。同国は〇七年のEU加盟を目指しているが、同国議会は昨年10月2日、「EU加盟を果たす前に3、4号機を閉鎖すべきでない」との決議を可決していた。

 しかしS・サクスコーブルゴツキ首相が、同発電所1、2号機は昨年末、同3、4号機を〇六年までに閉鎖することでEUと合意したことから同国の野党は11月22日と25日に政府に対する不信任動議を提出。この動議は政府の与党連合により直ちに否決されたものの、事態はこの件について国民投票の実施を求める約三千名の市民デモ行進に発展している。

 これを受けてブルガリア社会党(BSP)は現在、国民投票実施に向けた署名活動を議会内で展開中で、六十議員の署名が必要なところ、すでに四十八議員の署名を獲得したと伝えられている。


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