[原子力産業新聞] 2003年1月9日 第2168号 <1面>

[経済産業省] 交付金制度見直し

 経済産業省は、原子力関係に1720億円(対前年比2.6%増)をあて、不正問題等を踏まえた安全確保の向上、国民理解増進と立地対策といった幅広い施策の強化を進める方針だ。このため重要構造物安全評価等委託費に29億円を、また原子力発電施設等安全性実証解析等委託費に32億円をあてる。新規に原子力発電施設等安全研修等委託費3億円を計上した。今年10月に設立予定の独立行政法人原子力安全基盤機構運営費交付金には122億円を新規に計上した。

立地等の推進についても、立地地域の振興策の充実及び長期固定電源への重点化をはかる方針。地域共生の実現にむけ電源三法交付金制度を抜本的に見直すこととし、電源立地地域対策交付金に988億円を投入する。また国民理解の促進については、原子力政策に関する国民の理解促進に向け、一人一人がエネルギーや原子力について主体的に考えるための環境を整備、効果的な広聴・広報活動の展開を図る方針で、広聴・広報活動の抜本的強化に73億円を投じる。

 高レベル放射性廃棄物の処分事業を円滑に推進するための研究開発等を進める等。放射性廃棄物に関する研究開発に136億円(同・135億円)を確保した。 新法人460名体制でスタート

 経済産業省は来年度、原子力安全体制の強化にむけて機構改革と定員増などを行うことにした。原子力安全関係については、申告調査を迅速かつ適切に行うため、原子力安全特別調査課を振替新設。技術的専門的課題に的確に対応するため、原子力安全技術基盤課を振替新設する方針だ。

 定員については原子力安全関連で新規に定員58名の増強をはかる方針だ。うち、申告調査体制及び検査体制の充実・強化を図るため、申告調査実施体制強化に六名、事業者の品質保証活動に対する保安検査の実施に48名、定期事業者検査に関する安全管理審査の評定に4名としている。原子力安全基盤機構の体制についても、当初予定の360名程度を103名増員し、460名程度とする。増員は、定期事業者検査に関する安全管理審査に58名、定期検査等におけるチェック体制強化に45名としている。


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