[原子力産業新聞] 2003年1月9日 第2168号 <1面>

[原産] 新年名刺交換会開く

 日本原子力産業会議は7日、新年名刺交換会を開催。会場となった東京・港区のホテルには約1600名の関係者が集い、年初の挨拶を交わした。

 冒頭、挨拶した西澤潤一原産会議会長は、「世界の情勢は激動と緊迫の様相を呈している」とした上で、「もんじゅ」事故以来の一連の不祥事を、「甘えの構造から生じたものと理解出来る」と言及。その解決には、自らの社会的責任を組織として確立すること以外に方法はない述べた。

 さらに同会長は、原子力産業界として早急に取り組むべき課題として@民間として原子力開発利用の戦略を持つことA原子力の社会的な認知に向けた取組み ―などを挙げ、「なかなか難しい取り組みばかりだが、ここにご参集の皆様とともに知恵と力を合わせて粘り強く進めたい」と、決意を表明した。

 引き続き挨拶に立った遠山敦子文部科学大臣は、原子力について「エネルギー安全保障や地球環境保全などの観点から、今後ますます重要になってくる」との認識を強調。「もんじゅ」の早期運転再開、核融合および加速器研究への積極的取り組みなど原子力研究開発の促進を図るとともに、原子力教育、国民の理解促進に向けた活動に、引き続き積極的に取り組む方針を明らかにした。

 さらに、細田博之科学技術政策担当大臣は、環境問題やエネルギーの安定供給などといった問題に対し、原子力がいかに大きな役割を果たしてきたかを述べた上で、「正しいことは正しいという確信の下、世界に向けて発信し、正しい道を行くことが大切だ」と、参加者を激励。また、桜田義孝経済産業大臣政務官は、「今年が後世から見て、原子力の再出発の年だったと語り継がれるような年となることを祈念する」とした。


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