[原子力産業新聞] 2003年1月16日 第2169号 <4面> |
[NSネット] 富士電機のレビュー結果発表NSネットは12月26日、富士電機東京地区に対して実施した相互評価(ピアレビュー)の報告書を発表するとともに、オブザーバーとして参加した消費生活アドバイザーの碧海酉癸氏から寄せられた、意見および感想を発表した。 まずピアレビューについて、対象となった富士電機東京地区(原子力・放射線事業部及び東京システム製作所)は、東海発電所のメインコントラクタとして原子炉本体等主要機器の設計、製作及び据付を行うとともに、廃止措置、さらには新型炉の開発及び原子燃料サイクル分野での技術開発に取り組むなど、多くの実績を持つ富士電機において、放射線監視設備等について設計・製造を担う事業所。レビューは、同事業所における原子力事業の安全推進活動を対象に実施された。 中部電力、三菱原子燃料、核燃料サイクル開発機構、NSネット事務局からなるレビューチームが、組織・運営、重要課題対応、教育・訓練、設計・製造といった分野について、現場観察、関係者との面談および書類確認を3日間にわたり実施。結果、「原子力安全の面で直ちに改善措置を施さなければならないような事項は見られなかった」と結論づけるとともに、良好事例として「重要基本作業認定の徹底による製造工程での品質の維持」および「ポルフ活動による職場における改善の定量評価と製造体質の強化」などを、また改善提案として「放射線、測定技術等に関する積極的広報活動の実施」などを、それぞれ挙げている。 一方、今回のレビューにオブザーバーとして参加した、消費生活アドバイザーの碧海酉癸氏は、オープニング、書類確認、面談に各々の感想に加え、全体的には「ピアレビューを続けていく上で一番心を遣わなければならないことは、『ピアレビューは決して上下の関係、あるいは仕事上での発注先と受注側の関係ではない』という事」「ピアレビューはまさにピアレビューであり、お互いの立場は原子力の安全という共通のテーマに対して全く対等だということを、実施する時の確認事項としていつも考えて頂きたい。結局、ピアレビューが成功するかどうかは、本当の信頼関係や共通意識がどれだけ活かされるかに懸かっていると思う」などと感想を寄せている。 |