[原子力産業新聞] 2002年1月24日 第2121号 <面>

[原子力安全・保安院] 「シュラウド健全性確認」

原子力安全・保安部会の「原子力発電設備の健全性評価等に関する小委員会」が21日開かれ、東京電力の柏崎刈羽3号機と中部電力浜岡4号機のシュラウドの健全性について原子力安全・保安院から説明を受け審議した。保安院は、現在および5年後の段階で十分な構造強度を有していることを確認し、溶接部の補修の必要がないとする評価結果を説明した。

小委の各委員からは、評価方法に十分なデータの裏付けや実績があるのかなどの質問が出た一方、専門家の見解として十分妥当とする見解が示された。

またこの日の小委員会では、新潟県原子力安全・資源対策課の小林幹夫課長が出席して、立地地域からの意見を述べた。小林課長は、今回の不正問題について「安全管理に関する虚偽、ごまかしは原子力発電依存の基盤を揺るがすもの」とした。自主点検や定検のあり方については「低炭素ステンレス鋼に対する応力腐食割れ発生メカニズムや発生原因は十分わかっているのか」との疑問を示し、「原子力安全行政はこれらの素朴な疑問に正面から答えるべきだと強く思う」と述べた。国に対しては今回の不正を許してきた原子力行政への地元住民の不信感があることを指摘、「安全の評価と安心(信頼)の溝は大きい。理解に基づく信頼の再構築が必要」とした。そのうえで同氏は、すべてのプラントを早期に点検することを求め、(1)徹底的な点検(2)厳正、慎重な安全評価(3)地元住民に対する責任ある説明の3点を求めた。


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