[原子力産業新聞] 2002年1月23日 第2170号 <6面>

[原子力安全・保安部会] 廃棄物安全規制、課題など整理

原子力安全・保安部会の廃棄物安全小委員会の第2回会合が16日に開かれ、放射性廃棄物の規制制度や地層処分技術を検討する各ワーキンググループの検討状況を聞いた。

このうち、地層処分技術ワーキンググループは、OECD/NEAがまとめた放射性個体廃棄物処分場の閉鎖後の安全に関する要因のリストや、関係研究機関へのアンケート調査等を参考に、安全規制上で重要な研究分野として大きく「地質及び気候関連起因事象」「将来の人間の行為」「放射性核種の地下水移行」の3つに特定。それぞれに必要な研究項目を図式化して示した。

このなかで早急に研究を推進すべき分野には「地震動・地震断層」「母岩領域」を、また当面推進すべき分野に「火山噴火・貫入」、「人間活動」を、さらに中長期的に推進すべき分野に「熱水活動による水文地質学的変化」や「地震・地質構造の変形による水文地質学的変化」などをあげた。今後分野ごと課題を詳細に検討していく方針。

また低レベル放射性廃棄物等安全ワーキンググループは、小委からの指示に基づく4つの検討課題の内容を固め、報告した。そのうち炉心等廃棄物(仮称)の処分に関する安全規制に関しては、安全規制内容の新規策定が必要との考えを示し、安全確保の考え方や安全評価手法、処分技術の技術基準の観点から検討を進めるとしている。また低レベル廃棄物(均質固化体・充填固化体等)のうち大型金属廃棄物の処分に関しては、開口部閉鎖方法の技術基準を検討するとしている。極低レベル廃棄物(金属等廃棄物)の処分に関しては、コンクリート廃棄物の技術基準が応用できるため、検討すべき論点はほとんどないとの見解をまとめている。また原子炉施設におけるクリアランスレベルの検認方法に関しては、測定基準の方法や、統計的手法に基づく測定単位の基準等を課題にとりあげる方針が示された。

なお、この検認方法に関しては原子力安全委員会がすでに検討を終えているが、安全委が示したクリアランスレベルはベクレル/グラムの単位である一方、実際の放射性廃棄物はその表面だけが汚染されているものが圧倒的に多いことから、クリアランスレベルの表面汚染への換算(ベクレル/グラムからベクレル/センチ平方メートルへの換算)についての整理が必要との考え方もあわせて示された。


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