[原子力産業新聞] 2003年1月30日 第2171号 <4面>

[文部科学省] 東海で206キロの差異

文部科学省は28日、わが国の保障措置状況をまとめた。それによると、2002年の国内査察実績は、259施設に対し2311人・日の査察を実施したとしている。

また同省は、核燃料サイクル開発機構の東海再処理施設で運転開始当初から累計で206の差異が認められたことを明らかにした。1977年の操業開始から2002年9月末現在の累積で、東海工場はその間、1003の使用済み燃料を再処理し、6.9のプルトニウムを回収している。

1995年から、文部科学省、国際原子力機関、サイクル機構の3者から構成されるワーキンググループが発生要因及び対策等の調査・検討を実施。差異の主な要因は、払出側(発電所側)の要因として原子炉でのプルトニウム生成量に関する計算コードによる誤差。また受入側(サイクル機構側)の要因として入量計量前のせん断・溶解過程から廃棄される燃料被覆管(ハル)等に付着したプルトニウム量の過小評価や 核的損耗(発電所側の払出から再処理施設の受入までの貯蔵の間のプルトニウムの放射性崩壊による損耗)、入量計量槽を経ずに高レベル放射性廃液貯槽に流入するプルトニウムの存在−をあげている。

今後、文科省は要因をさらに詳細に検討し、改善策を進めることにしている。そのうえでサイクル機構の計量管理報告を的確な値に調整するよう指導する方針だ。


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