[原子力産業新聞] 2003年2月6日 第2172号 <2面> |
[原研] NSRRが第三期計画へ日本原子力研究所のNSRR(原子炉安全性研究炉=写真)が第三期計画として予定する高燃焼度ウラン・MOX燃料実験にむけて、昨年10月に原子炉の設置変更許可申請が文部科学省に提出されていたが、文部科学省は基準に適合し、安全上の問題はないとする審査結果をまとめ、1月30日に原子力安全委員会、また2月4日に原子力委員会にそれぞれダブルチェック諮問を行った。 NSRRは、試験燃料を封入したカプセルを炉心に装荷して反応度事故時の出力暴走を模擬したパルス照射によって、反応度事故時の燃料挙動を調べる試験を実施してきた研究炉で、これまで各種の試験によって得られたデータは、軽水炉の安全審査指針等に反映されるなど安全性の向上に寄与してきている。 今後、軽水炉で使用が予定される高燃焼度燃料、プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料についての反応度事故時の健全性評価に必要なデータ取得に、その役割が求められており、計画の実施に必要な原子炉の変更を行うもの。 今回の変更申請では、軽水炉の運転条件により近い条件下で反応度事故時の挙動を解明するため二重容器の高圧水カプセルを新たに追加。未照射および照射の酸化ウラン燃料、未照射および照射のMOX燃料を封入して試験を行えるようにする。 また軽水炉でMOX燃料燃料照射試験を行うためにプルトニウム富化度の上限値を変更する。 一方、試験目的を達して不要になった流動水カプセルを廃し、NSRR炉心燃料要素(新燃料)を保管している貯蔵設備容量を150本から100本に削減するとしている。 |