[原子力産業新聞] 2003年2月6日 第2172号 <5面>

[三菱重工業] 米電力からSG受注

三菱重工業は3日、加圧水型軽水炉の主要機器である「蒸気発生器(SG)」2基を、米国オマハ電力から受注したと発表した。

SGは、加圧水型の原子炉で発生した熱で発電タービンを回す水蒸気を発生させる装置で、重工が受注したのは、米国ネブラスカ州オマハ市の北約30キロにある、フォートカルフーン原子力発電所用のSG。

1970年代初頭に営業運転を開始した同発電所の発電設備は、加圧水型軽水炉1基で、出力は49万2000キロワット。予定している2033年までの運転期間延長(20年間)に備え、このほどSGの取り替えを実施することになったという。

納入されるSGは低合金鋼製で、高さ約17メートル、総重量約260トン。製作は神戸造船所が担当し、2006年に、現地発電所渡しの形で納入が予定されている。

三菱重工はこれまで、世界の主要原子力市場に対する販売拡大を積極的に行ってきており、取り替え用SGではベルギーのチアンジュ1・2号および、ドール2号向けの受注実績がある。また対米向けとしては昨年9月、米国ドミニオン電力からウエスチングハウス社と共同で、上部原子炉容器4基の取替工事の受注に成功している。

今回の成約はこれら実績に加え、永年培ってきた三菱重工の技術力・品質が高く評価された結果と見られており、ブッシュ政権の下、原子力発電所の運転期間延長(20年間)の動きが定着し、それに伴う主要機器の取り替え需要が活発化している米国において、同社では「今後とも米国市場を重視し、積極的に拡販活動を推進していく」方針としている。


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