[原子力産業新聞] 2003年2月13日 第2173号 <2面>

[電源開発] 大間原子力発電所、炉心位置変更、再配置へ

 電源開発は10日、同社が青森県大間町に建設を計画している大間原子力発電所(ABWR、138万3000キロワット、=完成予想図)について、炉心位置を変更する、新たな配置計画を発表した。大間町、風間浦村、佐井村の首長および議会の早期本格着工の要請などを受けてのことで、電発では、これら要請と原子燃料サイクルの推進など諸問題に応えるために「早急に計画実現の見通しを立てることが必要」と判断。配置計画の見直しの具体的準備を開始することとした。

 新配置計画は、現行計画の原子炉建屋の中心を既取得の敷地範囲内で、南側に約200メートル移動するというもの。電発では同計画について、中垣喜彦社長が10日に青森県庁に木村守男知事を訪ねたほか、経済産業省や地元3か町村および関係当局に対し、同日付けで説明を行っている。

 大間原子力発電所建設計画をめぐっては、1995年にATR建設計画からフルMOX・ABWRへと計画が変更されて以降は、1998年12月に第一次公開ヒアリングが開催され、翌九九年には電源開発基本計画に上程するなど、着実に進展していた。

 しかし用地買収については、一次ヒア開催時に全敷地の九八%を取得するまで進んでいたものの、その後は炉心付近の地権者との交渉が難航し、着工は先延ばしされていた。これに対し、地元は、一日も早く本格着工をするように」と要請していた。

 なお、今回の配置計画変更に伴う建設計画の遅れについて、電発では現在の「着工04年・運開09年」から、「ともに遅れても約2年半程度」としている。


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