[原子力産業新聞] 2003年2月13日 第2173号 <2面>

[原子力安全委・専門部会] BSS免除レベルで審議

 原子力安全委員会の放射線障害防止基本専門部会は10日、国際基本安全基準(BSS)の規制免除レベルの国内規制体系への取り入れ等にあたっての基本的考え方を同専門部会の報告としてとりまとめることとし、内容について審議した。

 1996年にIAEA(国際原子力機関)がまとめたBSS規制免除レベルの国内法令への取り入れは、文部科学相の諮問機関である放射線審議会の検討を経て、文部科学省が放射線障害防止法改正などの検討を進めているところ。安全委では、こうした動きをとらえて、放射線障害防止の基本にかかる問題として、BSS規制免除レベル取り入れに関する基本的な考え方を示すことにし、同専門部会に意見を求めていた。ただ技術的な内容を多く含むものであるため、改めて専門部会の報告としてとりまとめることとした。

 報告案では、基本方針として関係省庁に、現在また今後予測される放射性同位元素及び放射線利用の実施を踏まえて、必要性、実効性及び合理性の観点から規制の方法、対象及び範囲を検討するよう求めるなどの内容とする方向。密封線源等の規制に関する考え方や、BSS規制免除レベルに類似の制除外及びクリアランスレベルとの整合性等に関する考え方を盛り込む方針だ。

 IAEAが示したBSSの免除レベルは約三百の核種について被ばく経路等を考慮し規制の対象外とする免除レベルを定めているが、国内に導入すると現行規制に比べて放射線源を使った機器等の規制が大幅に厳しくなるものや、緩和されるものがでてくるため、利用実態等もふまえて合理的な規制体系の見直しが必要。文科省では昨年11月から同レベル導入とあわせ、放射線障害防止法、原子炉等規制法などの必要な見直しを、同省が設けた検討会で審議中だ。


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