[原子力産業新聞] 2003年2月13日 第2173号 <3面>

[英・UKAEA] 処理施設の建設申請

 英原子力公社(UKAEA)は1月21日、スコットランドのドーンレイ・サイトに中レベル放射性廃棄物(ILW)処理・管理施設を建設するため、許可を申請したと発表した。

 この施設の建設はドーンレイ・サイトの廃止措置計画から出る廃棄物の貯蔵容量拡大が目的。また、セメント処理した液体廃棄物を長期間保管することが可能なことから、諸外国から90年代に請け負った再処理後の廃棄物についても、契約条項に基づき返還予定のセメント処理体の一部をここで保管するとしている。UKAEAでは同施設の設計および建設に1600万ポンド(約31億円)かかると見積もっており、二年間の建設期間だけで五十名分の雇用が創出されると予想している。

 ドーンレイサイト複合設備の一部となる同施設で、UKAEAは再処理後の液体廃棄物をセメント処理してスチール製のドラム缶に封入し、原子炉の解体などほかの廃止措置作業から出た固体中レベル廃棄物とともに貯蔵する計画だ。現時点では、抽残液のセメント処理が行われている間は遮蔽したドラム缶貯蔵所にこれらの固体廃棄物を受け入れることは不可能。新しい施設ではこれらを並行して実施できるため、固体廃棄物は他の場所での処理が決定するまでの間、同施設で保管するとしている。

 ドーンレイでは1958年から96年までの間、試験研究炉の使用済み燃料再処理が行われた。処理後の抽残液はサイト内に貯蔵されており、UKAEAはこれらすべてをセメント処理し、長期貯蔵に適した固体ILWのドラム缶5500本に転換するのに15年を要すると見積もっている。セメント処理は九八年に中断されたため、UKAEAでは今年中にもこの処理の再開を政府に申請する考え。セメント処理した抽残液は政府が再検討中の放射性廃棄物管理政策に基づいて、将来ほかの長期貯蔵所あるいは処分場に移されることになるとしている。

 商業再処理後の一部の廃棄物については、契約条項に従って08年から三百本のドラム缶をオーストラリア、ドイツ、スペイン、ベルギーに返還していく計画だ。


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