[原子力産業新聞] 2003年2月20日 第2174号 <1面>

[政府] 「CO2削減に影響も」

現在、多数の原子力発電所が停止していることなどに関連し、鈴木俊一環境大臣(=写真)は14日の閣議後会見で、これ以上原子力の運転停止などが長引けば、国の温暖化対策計画にも影響を与えかねないという見解を示した。

京都議定書でわが国に課せられた温室効果ガス削減目標を達成することを目標に、昨年取りまとめられた「地球温暖化対策推進大綱」では、2004年と2007年の2回、対策の進捗状況について評価・見直しを行い、段階的に必要な対策を講じていく」こととされている。

会見で同相は、「なかなか原子力発電が運転を再開しないということで、地球温暖化ガスに対する影響を懸念している」とした上で、こうした状況がさらに長期に及ぶ事態となると、「長期エネルギー需給見通しも変わってくると思う」と指摘した。

現時点では「資源エネルギー庁の方にエネルギー需給長期見通しの見直しを申し入れるということはないが、(2004年までの第一ステップが終了する)来年は、大きい節目の年になるので、もう少し状況を見て、必要に応じてそういった申し入れもしなければならないと思う」と、原子力の長期停滞は、国の地球温暖化対策に大きな影響を与える可能性を示唆した。

同相はさらに、温暖化対策税について言及。「一つの大きな手段として、温暖化対策税の投入は必要なのではないかという立場だ」として、「第一ステップ終了時にしっかりと検証するが、その時になって温暖化対策税をどうするかということになったとき、具体案がなければそこに時間的なロスが生まれるので、今からそういった具体案作りを急いでやる必要がある」と、具体案を固める方針であることを明らかにした。


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