[原子力産業新聞] 2003年2月20日 第2174号 <3面>

[仏EDF] 新型シュミレータ導入へ

フランス原子力学会が1月22日に伝えたところによると、仏国内の全原子力発電所を操業する仏電力公社(EDF)はこのほど、「シロッコ(熱風)」と名づけたプログラムにより19の原子力発電サイトで新世代の、あるいは最新型に改造された制御室シミュレータを導入することになった。

1億3700万ユーロ(約177億円)の予算を投入する同計画では、7サイトに設置されている既存のシミュレータ12基を最新型に改造するほか、新世代シミュレータを七基導入する。新世代シミュレータは従来型の20倍の強度を備えているほか、潜在的に発生する可能性がある三万件の状況を想定できる。原発を運転するための実践経験を積んだり良質な訓練が受けられるよう設計されており、EDFとしては発電所の管理者にこのシミュレータによる初期訓練を少なくとも十週間受けさせたあと、追加で四年間の訓練を積ませることになるという。同シミュレータはさらに、安全関係のエンジニアや運転チーム・リーダーの育成に活用されるほか、毎年、12回実施される国レベルの危機状況演習や安全性確率試験にも利用される予定だ。

EDFの計画では、新しいシミュレータを今月中にベルビル発電所に設置した後、ルブレイエ、クリュアス、ゴルフェシュ、パンリー、ノジョン、シボーの各サイトに設置。改造型のシミュレータは、これまで1基もシミュレータが装備されていなかったサンローラン、トリカスタン、ダンピエール、フラマンビル、サンアルバンに備え付ける。これらの改造型は、複数のシミュレータが設置されていた七サイト(ビュジェイ、フュッセンハイム、グラブリーヌ、パリュエル、カットノン、ショー、シノン)から流用することになっている。


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