[原子力産業新聞] 2003年2月20日 第2174号 <3面>

[米・NRC] 貫通部検査を厳格化

米原子力規制委員会(NRC)は11日、国内のPWR操業者すべてに対し、圧力容器(RPV)上蓋の検査要件を一部修正する命令を発布した。

この命令により、NRCからPWRの操業認可を得ている事業者はRPV上蓋の金属表面全体の目視検査のほか、上蓋の各ノズル貫通部の非目視検査を義務付けられることになった。この措置は、2001年にオコニー原子力発電所2、3号機(各80万キロワット級PWR)の上蓋ノズル貫通部で周方向の亀裂が発見されたのに続き、昨年3月にデービスベッセ原子力発電所(91万5000キロワット、PWR)でも上蓋に腐食が発見されたことに端を発しており、NRCはすでに昨年8月9日、今回の検査要件も含めて検査の頻度を拡大するよう勧告していた。

NRCとしては今回の命令は、米国機械学会(ASME)のボイラーと圧力容器のコードおよびNRCの関連法規に正式に組み込まれるまでの暫定的な対策だと説明している。


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