[原子力産業新聞] 2003年2月27日 第2175号 <3面>

[WANO] コズロドイ3、4号機でピア・レビュー

世界原子力発電事業者協会(WANO)は十九日、ブルガリアのコズロドイ原子力発電所3,4号機のピア・レビューを六月二日から十三日まで実施することになったと発表した。

WANOによると、レビューチームの団長は英国・トーネス原子力発電所のW・ワデル所長が務めることになる。団員は、米・アトランタ、東京、パリにあるWANO事務所の代表者達のほか、ハンガリー、スロバキア、チェコ、リトアニア、ウクライナの専門家達で構成される予定だ。

ブルガリアは欧州連合(EU)への新規加盟交渉に入る条件の一つとして旧型VVERであるコズロドイ1〜4号機の早期閉鎖を迫られており、同1,2号機は昨年末に予定どおりに閉鎖。しかし3、4号機については早期閉鎖に反対する意見が同国民の間で根強く、IAEAは昨年にピア・レビューを実施。「設計上の欠陥は改善された」との結果報告書を出していた。このためブルガリアとしては、EUにも独自のピア・レビューにより、本当に閉鎖の必要があるのか否かを見極めさせたいとしている。

なお、閉鎖された1、2号機を代替する新たな原子力設備として、カナダがCANDU炉の利点を詳細に説明したと伝えられている。二月上旬にブルガリアのM・コバシェフ・エネルギー相がカナダの外務・国際貿易省に異例の訪問した際、同相はカナダの天然資源相とも会見。ブルガリアとしては九〇年に建設中止になったベレネ原子力発電所計画の復活を検討中で、この可能性に関する調査報告書は今年後半に明らかにされる見込みだ。建設再開が決定した場合は、国際入札で原子炉発注先を選定する計画だと伝えられている。


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