[原子力産業新聞] 2003年2月27日 第2175号 <3面>

[中国] 産業規模、150億元/年に

中国は原子力平和利用の重要な一部として農業、工業、医学の各分野における原子力技術の応用利用を強力に推し進めているが、原子力技術の開発と応用に従事する企業・事業体の数はすでに三百余りに達しており、年間の生産総額も百五十億元(二千百億円)という産業規模に成長したことを明らかにした。

九〇年代以降、中国の工業用電子加速器、コバルト線源の設置実績は年平均で二〇%以上伸びている。工業用プロセスの進展も大幅で、税関に設置されたコンテナ電子ビーム検査システムは密輸取締りの先進設備ととして国内の通関港で利用されているほか、外国にも輸出されている。電子ビームによる信書滅菌装置などの開発にも成功しており、テロ活動を取り締まるのに有効な技術手段を提供している。

農業分野における活用では大きな社会的、経済的効果を生みだしているだけでなく、生態系面での効果も高い。放射性医薬品の生産拠点は中国全土で七か所を数えており、原子力技術を利用した医療機器の生産も急速に拡大中だ。

中国では今後、環境保護や生命科学分野への利用を重点的に育成し、産業規模と技術水準の拡大に努めるとともに、生態環境や水資源管理、医療保険面でも原子力技術の機能が発揮されるよう力を入れていくとしている。(中国通信)


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