[原子力産業新聞] 2003年3月6日 第2176号 <1面>

[東京電力] 自主点検最終報告書を提出

原子力発電所の自主点検記録に不正があった問題で、東京電力は2月28日、過去14年間に遡った自主点検作業記録の総点検結果について、昨年11月の中間報告に続き最終報告書をとりまとめ、経済産業省原子力安全・保安院に提出した。報告書では総点検の結果、不正のおそれのある事案はなかったとしているが、保安院では今後、報告書の内容を分析し、必要な対応をとる方針を示している。

保安院は昨年8月に、東電ほか原子力事業者に対し、原子力施設の自主点検作業の適切性確保に関する総点検を要請していた。今回の報告書は、この要請を受けたもので、各発電所の保安監査部を中心に構成された「発電所総点検チーム」が、調査の透明性と客観性確保するための第三者機関などの参画を得て、原子炉圧力容器、炉内構造物、冷却系統設備などを対象に東電が実施した、自主点検の記録および工事施工会社保有の工事記録などについて、最大で過去十四年にまで遡り、点検記録類の調査を実施した。

結果、(1)検査成績書や工事報告書などといった記録類(2)電事法に基づく工事計画の届け出(3)電事法などに基づくトラブルの報告(4)国に約束した対策・工事の実行――などについて、不正の行われたおそれのある事案はなかったとして、最終報告書として取りまとめ、保安院に提出している。

報告書を受理した保安院では、今後、報告の内容を分析した上で、保安院としての評価を取りまとめ、必要な対応をとって行く方針を示した。


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