[原子力産業新聞] 2003年3月6日 第2176号 <3面>

[IAEA] イランに施設情報の早期提供要請

2月21日から2日間にわたってイランを訪問していたIAEA(国際原子力機関)のM・エルバラダイ事務局長は、ナタンズで建設中の遠心分離法ウラン濃縮パイロット施設などを視察したほか、首都テヘランではM・ハタミ大統領と会見した。同事務局長の随行者のうち二名は他の施設を視察するため、一週間ほどイランに残留した。

エルバラダイ事務局長に対してイラン政府は、新たな原子力施設についてはいかなるものに関しても設計情報を早期に提供するなど、関連法で要求される追加の義務事項の履行を約束。同事務局長も、「核不拡散条約の加盟各国、特に先進的な原子力発利用計画を進めている国に対しては、未申告の核物質や活動が存在しないことを確実に保証するため、保障措置協定の追加議定書を締結するよう要求している」と説明。同国で原子力開発プログラムを拡大する際には、追加の査察権限をIAEAに提供するようイラン政府に要請した。

イランは昨年9月、今後20年間に新規の原子力発電設備六百万`h分を開発する計画があると発表。燃料サイクル計画についても同事務局長に情報を伝えたとしている。


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