[原子力産業新聞] 2003年3月13日 第2177号 <1面>

原子力安全・保安院は10日、原子力発電設備の健全性評価に関する中間報告をまとめ、再循環系の配管に対する検査・点検等の改善方策を打ち出した。東京、中部、東北の各原子力発電所で確認された炉心シュラウドと再循環系配管の健全性評価について、「十分な構造強度を持つ」などと評価している。同日開催の原子力発電設備の健全性評価等に関する小委員会に説明され、出席した佐々木宣彦保安院長は中間報告を踏まえ福島県や新潟県など地元に説明する方針を示した。

中間報告は東北電力の女川1号機、東電の福島第1・4号機、福島第2・3、4号機、柏崎刈羽1、2、3号機、中部電力の浜岡4号機の8プラントでみつかった炉心シュラウドのひび割れの健全性について「十分な構造強度を有しておりただちに補修などの対策を講じる必要はない」と判断している。東北、東京、中部の各プラントでみつかった再循環配管等のひび割れは、一部検査結果に差異がみられ、再測定を実施中で、新たに改善した検査方法の信頼性が実証されれば十分に構造強度をもつとの判断できるとの考えを示した。この検査方法(超音波探傷検査の精度)の問題について保安院は再循環系配管の検査頻度を変更、事業者に対し改善策を求める。


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