[原子力産業新聞] 2003年3月13日 第2177号 <2面>

[経団連] 「着実な推進不可欠」と強調

日本経済団体連合会は11日、一連の自主点検データ不正問題により、原子力発電所が停止を余儀なくされている現状を受け、エネルギーの安定供給や地球環境問題への対応のためには、原子力発電を着実に推進することが不可欠だとする提言をまとめ、発表した。

提言では、「エネルギー資源の乏しいわが国においては、国としての確固たるエネルギー総合戦略の確立と推進が、国民生活の安定や産業発展の大前提である」との立場から、エネルギー自給率の低いわが国が、エネルギーセキュリティの観点から国産エネルギーの比率を高めていくためには「原子力発電を着実に利用し、その活用を図ることが不可欠である」と強調。加えてウランの有効利用、高レベル放射性廃棄物の低減の観点から「高速炉を含めた核燃料サイクルの推進を、わが国エネルギー政策の期間として再認識し、官民の役割分担を明確にした上で、問題を先送りすること無く着実に実行する必要がある」として、国民や立地地域住民の理解が得られるよう、事業者に対しては万般の努力を、また国に対しては「最大限の努力を傾注すべき」とするとともに、「もんじゅ」行政訴訟判決について、「十分な説明責任を果たし、必要な体制強化を図るべき」と求めている。

一方、地球環境問題に関連しては、京都議定書の目標達成のためには「原子力の活用が不可欠」とする一方、環境適合性、中・長期エネルギー供給および、新産業創出によるわが国経済活性化という観点から、新エネルギー技術や省エネルギー技術の革新についても、「重要な課題」として挙げている。

さらに、これら政策を推進して行くためには、国民の理解が必須であることから、提言では国に対して「広報、教育などあらゆる場を通じ、わが国が直面しているエネルギーの現状や地球温暖化の状況、原子力の必要性や新エネなどに対する正確な情報を国民に提供し、理解促進に努め、エネルギー問題の重要性に関する国民意識の向上を図るべき」と求めている。


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