[原子力産業新聞] 2003年3月13日 第2177号 <3面>

[伊ENEL] 仏国原発からの電力輸入拡大へ

イタリア国営電力会社(ENEL)の原子力発電所管理担当子会社であるSOGINが2月末に伝えたところによると、同国政府は今後、フランスの原子力発電所による安価な電力の輸入量を拡大するようENELに働きかけていく方針だ。

SOGINの説明では、イタリアは現在、輸入電力の大半を化石燃料発電に依存しており、「欧州で最も高い電力料金を支払って」いる。具体的には国外から購入する電力の七五%が石油および天然ガス火力である点を指摘しており、「欧州の平均料金の1.6倍、フランス料金の3倍、スウェーデン料金の4倍」という数字を挙げた。イタリアがフランスの原子力発電所から毎年輸入している電力は総需要量の14〜18%に留まっていることから、同国政府は電力輸入目的で国外の原子力発電資産の取得を検討中。今後ENELの対外計画がその方向で変化していく可能性を指摘した。

なお、同国政府はすでに昨年末、電力会社が海外の原子力発電企業に参加できるよう関連法規の改正法案を議会に提出している。


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