[原子力産業新聞] 2003年3月20日 第2178号 <2面>

[文部科学省] ITERの基本方針まとめ

文部科学省は17日、ITER(国際熱核融合実験炉)の安全確保に関して当面の対応の基本方針をまとめた。今後サイト決定を経て2004年の中頃にITERを建設する事業体が設立され、炉の安全性を確認するための法的枠組みも整備する段取り。安全確認にあたり、わが国としてその基本要件と、確認のための基本的な手続き、法的な枠組み整備の考え方などを示したもの。今後、文部科学省ではITER計画の関係各極や国際チームに対して提示する方針だ。その上で、工学設計(EDA)の最終設計報告書等を基に、ITER国際チームとの間の質問・回答のやりとりを通して、所要の安全性の確認の作業を進めていく。このような技術的検討作業と合わせて法的な枠組みの整備に必要な諸事項の検討を進めていくとしている。

核融合炉は原理的に核暴走の危険はないが、放射性物質であるトリチウムを使うこともあって、廃棄物の管理を含めて設計や建設、運転の各段階で安全性を確認することが必要。このため、@公衆及び従事者に対する放射線防護が適切になされることAITERの安全性の特徴を考慮し適切に事故の発生防止をはかるB排気設備等により、事故の影響緩和が適切になされる−の3つを基本要件としている。

また、今後の安全確認は、「基本設計段階、詳細設計・建設段階、運転段階及び廃止段階の各段階に応じて、予め示した基準等に基づき科学的・合理的方法により行うことを基本とする」などの考え方を示している。


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