[原子力産業新聞] 2003年3月20日 第2178号 <4面>

[原産] 「持続可能な発展と原子力」

日本原子力産業会議は12日、東京・千代田区のルポール麹町で、国際シンポジウム「持続可能な発展のために原子力にできること」を開催した(=写真)。文部科学省の委託事業として開かれたもので、経済発展と環境・エネルギーの調和を強く求められている現代、「我々は原子力の潜在的能力にどう向き合うべきか。またその能力が評価されるために、何をすべきか」を、内外の専門家による基調講演とパネルディスカッションで解き明かすことがねらい。

冒頭の挨拶に続き、中央環境審議会の森嶌昭夫会長が、基調講演「持続可能な社会−原子力の将来は」を実施。同氏は持続可能な社会を「将来の世界の欲求を満たすことを妨げることなく、今の世界の欲求・途上国を発展させること」として、将来に責任ある選択をする以上、原子力は必要であるにもかかわらず、推進が言いにくい現代においては、原子力は「ひとつの重要な選択肢と提示することが必要だ」と提言した。

また引き続き、基調講演「京都議定書と米国の環境政策」を行った、H.ワトソン米国務省地球環境問題上級交渉官・特別代表は、米国が京都議定書を批准しない理由として、@米国経済に与える影響(引いては世界経済に与える影響)A途上国の不参加−−を提示。加えて米国がSO2、NOx、水銀の削減のために取り組んでいる「クリアスカイ・イニシアティブ」および、今後10年間で、温室効果ガス排出量を18%削減することを狙う、大気変動政策について紹介した。


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