[原子力産業新聞] 2003年4月3日 第2180号 <3面>

[スペイン] テクナトム社、WH社と協力協定

 英原子燃料会社(BNFL)の子会社であるウエスチングハウス(WH)社は13日、スペインの大手非破壊検査サービス会社のテクナトム社と協力協定を締結したと発表した。

 この協定により、両社は2003年から2009年まで商業用原子力発電所の検査・修理における技術や人的資源、機器、および両社が蓄積してきた膨大なノウハウを共有していく。欧州を事業拠点とするテクナトム社の役割は、急速に拡大しつつある超音波渦電流探傷法による非破壊検査市場にWH社が世界的規模で対応していく上で、技術力やスタッフ、機器の面で同社の能力を補うこと。テクナトム社の社員は欧州におけるWH社の原子炉圧力容器と蒸気発生器分野の事業で共同活動していくほか、今春から米国の原子力発電所におけるWH社のプロジェクトにも参加するなど、米国市場への参入も果たす計画だ。

 この協定による顧客側のメリットとしてWH社は、近年、原子力産業界で需要が急増している圧力容器上蓋の検査サービスでアロイ600チームの能力が補える点を指摘。同チームとしても、WH社の上蓋検査と修理作業が今後一層高度なレベルで行えるよう、戦略の開発と支援作業の実施に焦点を絞る方針であることを明らかにした。同チームはまた、今回の協定により両社はこれまでの知見と木目細かな対応に一層磨きをかけることになると強調している。


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