[原子力産業新聞] 2003年4月10日 第2181号 <7面>

[外務省] 新たな脅威めぐりシンポ

 外務省は、3月25日、東京の国連大学本部で、シンポジウム「新たな脅威と大量破壊兵器の拡散防止」を、国連大学との共催で開催した。シャインマン米国モントレー不拡散センター教授、セイモア国際戦略問題研究所(IISS)研究部長、沈丁立復旦大学(上海)米国研究所副所長、ハイノネン国際原子力機関(IAEA)保障措置局実施B部長、山本武彦早稲田大学教授、浅田正彦京都大学教授等のパネリストから議論が行われ、国内の研究者、在京外交団、報道関係者等約七十名が参加した。

 同シンポジウムでは、大量破壊兵器の開発・使用が懸念される国や、国際的なテロリスト・ネットワークが、大量破壊兵器及び開発技術を入手・使用する危険性が指摘されている中で、アジア地域や中東地域における不拡散体制が特に脆弱との問題意識から、両地域における不拡散体制強化への方策について活発な議論が行われた。

 アジアでの不拡散については、アジアでの不拡散枠組の必要性が議論されたほか、この分野における中国の取り組みが紹介された。また、北朝鮮の核開発問題についても活発な議論が行われ、問題解決のためには、北朝鮮が多国間協議を受け入れる必要性が指摘された。

 中東に関しては、イラク問題、イランの核開発問題について議論が行われ、大量破壊兵器の問題については国ごとに対応は異なるべきとの意見が出されたほか、核不拡散についてはIAEA保障措置協定の追加議定書締結国を増やしていくことが重要との指摘があった。


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