[原子力産業新聞] 2003年4月17日 第2182号 <2面>

[東京電力] 事業構想をむつ市に説明

東京電力は11日、使用済み燃料の中間貯蔵のために計画している「リサイクル燃料備蓄センター(=概念図)」を青森県のむつ市に説明した。同社は3月末まで同市での立地可能性調査を実施し、技術的に可能との報告を今月3日に同市に行っている。同社の構想によると、2010年までに同センターの操業を開始したいとしており、地元の理解を得ながら、できるだけ早期の操業開始を目指すとしている。事業主体については、同社を中心に、他の電力の参画を得て、共同して新たに設立する貯蔵・管理会社が、国から貯蔵事業の許可を受けて施設の建設を行い、事業を運営することを考えている。また同センターへの最終的な貯蔵量は5000トンから6000トン程度を考えており、同社および事業に参画する電力会社の原子力発電所から発生する使用済燃料を貯蔵するという。貯蔵期間は、施設ごとの使用期間が50年間。キャスク(貯蔵容器)ごとでも、最長50年間の貯蔵とする考え。また、操業開始後40年目までに、貯蔵した使用済燃料の搬出について、地元との協議をさせて頂きたいとの考えを示している。施設の建設・運営については、原子力安全委員会の指針等に従うことはもとより安全確保を最優先とし、人身、設備、交通などの安全確保に万全を期す方針。

当初は、3000トン規模の貯蔵建屋を1棟建設、その後2棟目を建設する考えで、建設工事期間については、1棟あたりおよそ3年程度の見通しを示している。

なお、現在までに立地の可能性を判断するための調査は完了したが、今後地元の了解を得られれば、事業許可を国に申請するために、より詳細な調査が必要としている。


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