[原子力産業新聞] 2003年4月17日 第2182号 <3面>

[カナダ] ブルースA・3、4運転再開へ

カナダ原子力安全委員会(CNSC)は4日、98年以降運転を休止していたブルースA原子力発電所3、4号機(各9万4000キロワット、CANDU炉2基)について、「いくつかの必要条件が満たされ次第、両炉の運転認可の修正および運転の再開を許可する」と発表した。

CNSCは今年1月と2月に開催した公聴会で、両炉を所有するブルース・パワー(BP)社の提出文書や口頭報告を詳細に審査。また、同社がまとめた詳細な環境影響評価報告書についても審査しており、「両炉の運転再開が環境や周辺住民の安全と健康に悪影響を及ぼすとは考えにくい」と判断したとしている。

運転再開に必要な認可の修正についてCNSCは、作業員訓練や大規模破断による冷却材喪失事故の解析、安全性向上対策などの分野で55件の要件を提示しており、今後、BP社がこれらの要件を満たしていく作業状況が同委の定期会合で報告されるようスタッフに指示。すべての条件がクリアされ、フル出力で操業する準備が整った時点で、安全委・発電炉規制局長の最終承認で両炉を停止状態から戻し、運転の再開を許可するとしている。

BP社のD.ホーソン社長兼最高経営責任者は、今回のCNSC決定により、夏のピーク期を目前に控え、休止していたブルースA発電所の最初の1基を今月中にも再起動する可能性が出てきたと指摘。3、4号機両方の運転をピーク期前に再開させようという同社の計画が順調に推移している点を強調した。

同発電所の4基は95年から98年にかけて当時の運転会社の再編計画により運転を休止。4号機は98年3月、3号機は翌4月から約5年間停止していた。


Copyright (C) 2003 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.