[原子力産業新聞] 2003年4月17日 第2182号 <3面>

[ブルガリア] 「06年の閉鎖は違法」

ブルガリアのエネルギー省が先月末付けで伝えたところによると、同国の最高行政裁判所(SAC)は3月28日、コズロドイ原子力発電所3、4号機(各44万キロワット、VVER2基)を2006年に早期閉鎖するとした同国政府と欧州連合(EU)の合意は違法であるとの判断を下した。

ブルガリアの法律ではSACの判決は最終的なものであり、これに控訴することはできない。しかし、国内の裁判所の裁定は国内でのみ有効で、EU加盟に係わるエネルギー関係の合意条項に影響は及ぼさないとの見方があるため、S.パッシー外相およびM.クネバ欧州統合担当相は、今回の裁定の解釈を閣僚議会の司法部門に求める方針だ。

S.サクスコーブルゴツキ首相率いる同国政府は昨年10月1日、3、4号機を2006年末までに早期閉鎖すると決定。これに反対する議会は翌日、「閉鎖は(07年に)EUへの加盟を果たした後」とする宣言文に署名したほか、野党が政府に対する不信任動議を提出していた。この動議は否決されたが、EUは両機をピア・レビューにかけることにも同意しているため、6月前半に世界原子力発電事業者協会(WANO)のレビュー・チームが同発電所を訪れることになっている。


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