[原子力産業新聞] 2003年4月17日 第2182号 <4面>

[原産] 2002年世界の原子力開発動向

日本原子力産業会議は10日、「世界の原子力発電開発の動向」(2002年末現在)をとりまとめ、発表した。これによると、2002年中に日本、韓国、中国、仏など4か国で8基・818万9000キロワットが新たに運転を開始、同年中に4基が閉鎖されたので、世界で運転中の原子力発電所は、前年より4基・7144万000キロワット増え、436基・3億7372万7000キロワットとなった。  この調査は原産が、世界28か国・地域の65の電力会社等へのアンケート調査からまとめたもの。2002年に新たに営業運転を開始したのは、日本の女川3号機(BWR、82万5000キロワット)、フランスのシボー1、2号機(PWR、各151万6000キロワット)、中国の秦山U期1号機(PWR、64万2000キロワット)と同V期1号機(CANDU、70万キロワット)、嶺澳1号機(PWR、99万キロワット)、韓国の霊光5、6号機(PWR、各100万キロワット)の合計8基で、アジア勢の勢いが目立つ。

中国では、第9次5カ年計画(19906〜2000年)に盛り込まれた8基の建設が順調に進んでいる。また韓国では、100万キロワットの国産PWR・韓国標準型炉(KSNP)の建設計画が順調に進んでいる。計画中の4基のKSNP(新古里1、2号機と新月城1、2号機)も発注された。また日本では、初の改良型PWRの原電・敦賀3、4号機が計画入りを果たした。

インドも積極的な原子力開発を展開、2002年には、インド初の100万キロワット級原子力発電所となるクダンクラム1、2号機(VVER)をはじめ、カイガ3、4号機(PHWR、各22万キロワット)とラジャスタン5号機(同)の5基が相次いで着工、建設中は7基・400万キロワット近くとなった。

インディラガンジー原子力研究センターでは、50万キロワットの高速増殖炉原型炉(PFBR)の建設に着手。すでに掘削・土木工事が始まっていが、2009年の運開をめざし、近く本体着工の見通し。


Copyright (C) 2003 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.