[原子力産業新聞] 2003年4月17日 第2182号 <4面>

[島津製作所] X線テレビシステムを発売

島津製作所は8日、検査から治療まで多目的に対応できるフルデジタルX線テレビシステム「Cアームテーブル「Cvision PLUS(シービジョン・プラス=写真)」を発売した。

同社独自のダブルCアーム構造により、整形領域や消化器系、血管系の撮影を始め、全身のDSA(造影剤を注入した画像から注入前の画像を減算処理して画像を構成する術式)といったさまざまな検査やX線透視・撮影を行いながら、カテーテルや内視鏡を用いて検査と治療を同時に行う最先端の治療・IVRに対応できる。

「シービジョン・プラス」は、X線管、イメージ管の映像系と寝台をそれぞれC型ベースで保持し、組み合わせたダブルCアームデザインにより支柱部分がなくコンパクト。安全面においても、検査中に寝台全体が上下しない構造のため、DSAやIVRにおいて被検者の安全性を高めた。さらに従来品に比べ、寝台各部の動きを高速化してさまざまなポジションでの撮影が必要な消化管検査の効率を向上させたほか、ベッドサイドで検査に必要な全ての操作を行うコントローラによりIVR手技をサポートするなど、医療現場のニーズを反映させており、利便性にも優れている。

近年、透視撮影を行うX線テレビシステムは、省スペースに設置できるコンパクトさと、種々の検査に対応できる豊富な機能が求められる一方、被検者への負担を最小限にできる治療方法として、IVRを用いる施設が増加している。同社では、そのニーズに応えるため、通常別々の専用装置を用いる血管系の検査と非血管系の検査を1台で対応できる多機能X線テレビシステムを発売してきたが、1台でさまざまな検査に対応し、かつ通常のX線テレビ室に設置できる新製品を市場に投入し一層の拡販を図る。価格は1億6000万円。初年度国内外で50台の販売を目指す。


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