[原子力産業新聞] 2003年5月8日 第2184号 <1面> |
[東京電力] 柏崎刈羽6号機が運転再開一連の自主点検記録不正問題などを受け、全基が運転を停止するという異例の事態となっていた東京電力の原子力発電所だが、そのうち柏崎刈羽原子力発電所6号機(ABWR、135万6000キロワット)が7日18時、全17基の先陣を切り原子炉を起動した。 東電の原子力発電ユニットが運転を行うのは、4月15日に福島第一原子力発電所6号機が停止して以来、約3週間振りのこと。発電再開にはあと多少の時間を要し、9日夜〜10日朝頃の併入が見込まれているが、これにより昨年8月の問題発覚以来、東電の原子力発電所はようやく新たな局面を迎えたことになる。 新潟県の平山征夫知事、西川正純柏崎市長、品田宏夫刈羽村長の地元関連三首長は7日午前、新潟県庁において東京電力・柏崎刈羽原子力発電所6号機の運転再開について協議。4月24日の佐々木宣彦原子力安全・保安院院長による「安全宣言」を受け、「安全運転に向けて大きな異論はない」との結論で一致して、運転再開を容認した。 7日14時過ぎに、平沼知事から運転再開了解の連絡を受けた東電では、同日18時から6号機の原子炉起動作業を開始。同基は1月27日の定検入り以来、久々の運転を再開した。 再起動に関する勝俣恒久東電社長のコメント本日、平山新潟県知事、西川柏崎市長、品田刈羽村長による三者会談が行われ、当社・柏崎刈羽原子力発電所6号機の再起動に対しご理解を賜った。三首長をはじめ、議員の皆さま、ご支援を賜りました地域の皆さまに厚く御礼申し上げる。 当社としてはこれを受け、本日午後6時より当6号機の制御棒を引き抜き、原子炉を起動させていただく予定だ。 当社は、当6号機の運転にあたっては、慎重の上にも慎重を期して安全を最優先に取り組んで行く。 また、今後とも各号機の点検・補修を着実に実施するとともに、再発防止対策を徹底し、立地地域の皆さまをはじめ、社会の皆さまからの信頼回復に全力で取り組んでまいる所存だ。 |