[原子力産業新聞] 2003年5月8日 第2184号 <3面>

[ハンガリー] パクシュでレベルIIIの損傷事象

 ハンガリーで稼動するパクシュ原子力発電所(=写真)で2号機(46万8000キロワット、VVER)の定検作業中の4月10日に燃料が損傷。国際原子力事象評価尺度(INES)でレベルIIIの判定を受けたことが明らかになった。

 同炉は3月29日から年次の燃料取り替え停止に入り、特殊な洗浄タンクで4月9日から燃料集合体の洗浄を開始していた。ハンガリー原子力庁(HAEA)によると、この作業中に何らかの異常が発生し、気泡となった放射性希ガスがタンク外に流出。4月16日に作業員がタンクの蓋を吊り上げて、ビデオカメラで内部の様子を調べたところ、30体の燃料集合体の大多数が変形し被覆が破れるなど、激しく損傷していることが判明した。

 同発電所では洗浄タンク外に漏れた希ガスを換気フィルタを通して環境中に放出したため、周辺環境への影響は無い。また、念の為に屋外の放射能濃度を計測する調整プログラムを始動させたものの、特別な対策は必要ないと強調している。


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