[原子力産業新聞] 2003年5月8日 第2184号 <5面>

[原子力安全委員会] 性能規定化や監査型検査への移行

 原子力安全委員会は4月24日、技術基準の基本的考え方をとりまとめた。

 同委は、早急に行うべき課題に、東京電力の不正問題等で指摘された運転開始後の健全性評価基準の明確化を、また技術基準の各規定が設計、建設、運転開始後の、どの時点で適用されるか明確にすべきとしている。さらに最新知見の迅速な反映等の観点から民間規格の活用も重要としている。

 今後1、2年という短期的な課題については、技術基準の性能規定化と民間規格活用のあり方に関して国と民間(学協会)が果たすべき役割分担と、民間規格の活用に際するプロセスの透明性確保、情報公開の重要性をあげている。また技術基準に適合しているかを監視・確認するにあたっては、一義的な責任を有する事業者がその適合性を確認するべきとし、国は、その活動を、組織やプロセスを含めて確認する監査型の検査方法に重点を置いていくことがのぞましいとの考え方を示した。

 また中長期的には、原子力発電設備等について定量的なリスク評価に基づく重要度分類により安全規制を行う方向性を示している。


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