[原子力産業新聞] 2003年5月8日 第2184号 <5面>

[原子力安全委員会] 健全性評価は妥当

 原子力安全委員会は先月24日、東京電力の一連の不正問題のなかで明らかになった同社の福島第一原子力発電所4号機、福島第二3、4号機、柏崎刈羽1、2号機炉心シュラウドのひび割れ等に関する原子力安全・保安院の健全性評価の考え方などを妥当とする見解をまとめた。同委のもとに設置した原子力発電安全性評価プロジェクトチームの中間報告を受けての判断。安全委では、3月に東京電力の柏崎刈羽3号機、中部電力の浜岡4号機および東北電力の女川1号機の炉心シュラウドのひび割れについて保安院が5年後までの評価を行い「十分な構造強度を有する」とした見解を妥当なものとする見解をまとめている。今回はこれに加え東電の福島第一・4号機など5つのプラントに関する保安院の評価を、独自の調査と評価に基づき妥当とした。

 一方、再循環配管のひび割れについては、超音波探傷にひび割れ測定精度に改善が必要であるため、手法の見直しを行う間に、事業者が運転再開の措置をとるためにはひび割れの除去や配管の取替を行う必要があるとした保安院の考え方を妥当と判断した。


Copyright (C) 2003 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.