[原子力産業新聞] 2003年5月15日 第2185号 <3面>

[米ウラン濃縮会社] サイレックス濃縮法 研究開発から撤退

 米ウラン濃縮会社(USEC)は4月30日、96年から出資してきたオーストラリアのサイレックス法ウラン濃縮研究開発から撤退し、米国式遠心分離技術の開発と実証に同社のすべての先進技術を傾注していくことになったと発表した。

 分子法レーザー濃縮の一種であるサイレックス法研究開発からの撤退理由として、USECは「当社の必要事項を満たせる技術としての実現は考え難く、これ以上の出資は株主達のためにも賢明ではないと判断した」と説明。可能性のある濃縮技術ではあるが、まだ開発の初期段階にあり、技術的に未解決の問題が山積している点を強調した。

 USECは99年後半、サイレックス法も含めて、米国が独自に開発した遠心分離法や諸外国で開発された遠心分離技術など、さまざまな先進的なウラン濃縮技術についての審査を開始。2002年にはサイレックス法の研究開発を継続しつつ、米国の遠心分離技術を次世代の濃縮技術と位置付けて研究開発していく方針を公表していた。

 同社はすでに今年2月、遠心分離法の実証施設をオハイオ州パイクトンにある同社の敷地内に建設・操業する許可を米原子力規制委員会(NRC)に申請。NRCの技術審査は来年2月に完了する見通しで、USECとしては2000年代末までに遠心分離技術を確立させたいとしている。


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