[原子力産業新聞] 2003年5月22日 第2186号 <2面> |
[原子力委員会] 二法人統合で方針 横断的事項原子力委員会は20日、日本原子力研究所及び核燃料サイクル開発機構の統合と独立行政法人化に向けての横断的事項に関する方針を決めた。同委はこれまでに二法人統合にむけて「基本的な考え方」及び「個別的分野の方針」を示している。今回、組織運営、研究評価の充実、透明性の一層の向上など八つの横断的事項について内容をより具体化し、その方針を示した。また新法人の策定する中期計画、理事長人事など新法人に対する原子力委員会の関与についても明確にすべきとの考えをまとめた。 今回まとめた方針で同委は「新法人は、従来より引き続き、原子力長期計画に沿って、我が国の原子力研究開発の中心的役割を担うもの」とし「その廃止・統合においては、従来の設置法にとらわれることなく、改めて、原子力長期計画に沿った自らの行うべき事業、保有すべき機能に立ちかえり、事業の重点化を行いつつ、事業内容に応じた適切な組織構成・運営の仕組みを有する原子力研究開発機関となることが求められる」との認識を示した上で、統合によるシナジー効果の発揮を目指し、我が国の原子力研究開発の一層の発展に資するよう「先進性、一体性及び総合性」を備えた研究開発機関としての運営が行われることを切に求める、としている。 横断的事項のなかで組織運営については、資金や人材等のバランスのとれた運営とともに、安全確保の体制強化を求めている。また研究評価の充実に関しては、特に「基礎・基盤的な研究開発」について、プロジェクト化に際し、厳正な研究評価、実用化の見込み等の評価が行われることが必要としている。また立地地域への広聴・広報活動など通じた透明性の一層の向上、産学官の連携強化については、広範な基礎科学的基盤を有する大学との連携が不可欠であり、新法人と大学のそれぞれの研究開発目標をより効率的に達成すべく、交流を一層活発にしていくことが重要、との考えを示している。さらに廃棄物処理・処分方策の確立に関して放射性廃棄物の処理・処分や廃止措置を行うことが、新法人全体の経営に及ぼす影響について検討し、必要な資金等について見通しを得る必要があるとし、所要の備えの整備を求めている。 |