[原子力産業新聞] 2003年5月22日 第2186号 <4面> |
[東工大、サイクル機構] 連携大学院記念し講演会東京工業大学と核燃料サイクル開発機構は、両者が「教育研究に対する連携・協力に関する協定」を締結、連携大学院による協力を開始したことを記念し、16日、サイクル機構の大洗工学センターで記念講演会(=写真下)を開催した。同講演会では、地元自治体や教育関係者らが、人材育成や地域が期待する教育のあり方など議論した。 連携大学院は大学と研究機関が協力して、とくに大学院の学生の研究を指導するというもの。今回はサイクル機構から3名の研究者が東工大の客員教授・助教授として、リサイクル技術や廃棄物処分などバックエンド分野の研究指導を行い、大洗工学センターがその拠点となる。サイクル機構としては、金沢大についで2番目の協力。 大洗町の小谷隆亮町長は来賓として挨拶、以前から原子力人材教育の重要性を訴え、様々な活動を積極的に実施している同町としては、大洗工学センターが連携協力の拠点となり、教育の基盤強化つながるとして歓迎した。 講演会では、東工大原子炉工学研究所の藤井靖彦所長が、連携大学院協力に大きな期待を表明、将来同センター内に「アトムテクノロジー共同研究センター(仮称)」の設置、高度原子力技術者養成短期コースなどの構想を明らかにした。 大洗工学センターの柳澤所長は、最近米国が環境問題とウラン資源の有効利用の観点から、リサイクルを模索しているとし、原子力を責任持って進めるためには長期的な視野が必要と指摘、このため世代をまたいだ人材育成と魂のこもった技術の継承が重要な課題だと述べた。連繋大学院により、研究施設の共同利用をはかり、研究や教育での新鮮味のある取組みを行うとともに、構造改革特区構想やサイエンスフロンティア構想により地域との共生や地域産業の活性化をもめざし、大洗町の町民憲章にうたわれている「原子の火を育て」のモットーに沿った、世界屈指の原子力研究センターにしたいとの抱負を述べた。 |