[原子力産業新聞] 2003年5月29日 第2187号 <3面>

[フィンランド] 建設許可、地元に申請

 フィンランドで放射性廃棄物の処分計画を担当しているPOSIVA社は20日、使用済み燃料の最終処分研究施設を建設する許可申請書をサイトとなるユーラヨキの地元自治体に提出した。

 「ONKALO」と呼ばれるこの地下研究施設は、同サイト岩盤の最終処分場としての適性について、地上からの掘削作業でこれまでに得られた結果を確証するなど、最終処分場建設計画の促進のために建設されるもの。POSIVAでは処分場の建設許可を政府に申請する際、必要な情報が同施設における研究活動で得られると期待している。

 ONKALOの建設サイトはオルキルオト原子力発電所から2キロメートルほど東に位置しており、最終処分場としての適性調査はすでに80年代後半から始められていた。これまでに23の試掘孔が掘削され、現在もさらに掘削中だ。ONKALOは全長5.5キロメートルの螺旋状のアクセス・トンネルと垂直な換気シャフトで構成される計画で、研究用の水平坑道は地下420メートルと520メートルの位置に設置。総容積は33万立方メートルを予定している。

 POSIVAは来年の夏にも基礎掘削工事を開始するが、現地での準備作業は今年のうちに始める予定。アクセス・トンネルと換気シャフトは掘削機と爆発物を使って掘り進める計画で、2004〜2010年の建設期間中に見込まれる雇用人数は年間で40〜50名ほどとなっている。

 POSIVAとしては2010年までに同施設を完成させる計画だが、研究活動はトンネルの建設段階から開始したい考え。トンネルの途中の窪んだ部分に研究設備を設置し、地質学的、岩石力学的、地球物理学的、および地球化学的な調査と計測を行うことになる。総工費は5000万ユーロになる見込みだ。


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