[原子力産業新聞] 2003年6月5日 第2188号 <2面>

[G8エビアン・サミット] 05年仏で国際会議 線源安全で

 フランスのエビアンで1〜3日、主要国首脳会合(G8サミット)が開かれ、「放射線源の安全確保」「大量破壊兵器の不拡散」などに関する首脳宣言が採択。最終日の「議長総括」でも原子力安全・セキュリティ、北朝鮮とイランの核開発問題などが取り上げられ、放射線利用や核拡散問題などが世界の安全保障に与える影響がクローズアップされた。

 「放射線源の安全確保に関する声明」では、世界的に幅広く使用されている放射線源のうち、十分に防護されていないものは、テロリストによって「汚い爆弾」に使われる可能性があるため「現実の脅威」とし、すべての国に対し、危険性の高い放射線源の「定期的な管理の強化」を求めている。

 具体的には、今年3月にウィーンで開かれた「放射線源のセキュリティに関する国際会議」の結論を踏まえ、G8諸国が放射線源について@国内登録A行方不明線源の回収計画B輸出規制の強化C盗難・悪用への罰則D物理的防護と入手管理E使用済み線源の安全な処理――など行うよう勧告、すべての国に対して、線源管理の強化を求め、さらに、線源の場所の特定、回収、安全確保のため国際協力を呼びかけている。

 3月の国際会議のフォローアップと、この問題への認識を高めるため、IAEAと協力し、2005年前半にフランスで国際会議を開くことで合意した。

 大量破壊兵器の不拡散に関する宣言では、この問題が「国際安全保障に対する顕著な脅威」とし、北朝鮮問題については、不拡散体制を損なう「国際的な義務の明確な違反」と指摘、同国に対し「いかなる核兵器計画をも廃棄」するよう強く求めるとともに、これが「包括的で平和的な解決を図っていくための本質的な行動」としている。

 IAEAに未申告のウラン濃縮活動などが明らかになったイランについても、NPT上の義務を完全に果たすよう求めるとともに、保障措置追加議定書を「直ちにかつ無条件で」署名・履行するよう要求した。


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