[原子力産業新聞] 2003年6月5日 第2188号 <3面>

[IAEA] パクシュ発電所に調査団を派遣

 国際原子力機関(IAEA)は5月22日、ハンガリー原子力委員会(HAEA)の要請を受けて、4月10日に国際原子力事故評価尺度でレベルVの燃料損傷事象が発生した同国のパクシュ原子力発電所2号機(46万8000キロワット、VVER)に安全調査団を送ることになったと発表した。

 ブダペストの南120キロメートルに位置する同発電所では、先月の停止期間中に燃料洗浄用特殊タンクの中の燃料集合体30体が何らかの原因により深刻な損傷を受け、タンク内の放射性ガスの一部が大気中に放出される結果になった。現在も継続中のHAEAによる包括的な調査では、この事象による周辺住民への危険性はなく、いかなる放射線影響も無視できる範囲内だという。

 IAEA独自の安全調査は、I・シグラーHAEA委員長からIAEAのM・エルバラダイ事務局長に宛てた書簡を通じて要請されたもの。IAEAとしては六月中にも、加盟国からの専門家で構成される調査団をパクシュ発電所に送る計画としている。


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