[原子力産業新聞] 2003年6月19日 第2190号 <3面>

[米議会] 上院原子力への財政支援を確認 エネルギー法案審議で

 米国の議会上院は10日、包括的エネルギー法案(上院一四号)を巡る審議の中で国内原子力産業への財政支援や原子力研究開発予算の増額など新規原子炉の建設を促す内容の条項を存続させることを確認した。

 この包括法案の一部である「2003年・エネルギー政策法案」(上院1005号)はすでに5月に上院のエネルギー・天然資源委員会から承認され、現在上院全体での審議にかけられているところ。同法案には元々、エネルギー保障や燃料・発電技術の多様化、温室効果ガス抑制に寄与するプロジェクトにおける電力購入協定、および融資保証という形で、原子力産業に対するエネルギー省の財政支援条項が盛り込まれていた。しかし、反原子力議員がこれらの削除を試みる修正提案を出したことから、上院では票決を実施。50対48の僅差でこれを否決する結果になった。

 この財政支援対策では具体的に、新規の発電設備840万キロワット分までに対し建設計画費の50%を上限に融資保証するとしており、原子力産業を始め、商業会議所や国立電子産業製造協会など関連産業団体が法案への政府支援条項盛り込み支持を表明していた。

 票決結果を受けて米原子力エネルギー協会(NEI)のJ・コルビン理事長は歓迎声明を発表。支援条項の維持に力を尽くしたP・ドメニチ議員を「米国のエネルギー保障強化に貢献した」と賞賛し、同議員の明快な原子力支持の姿勢に謝意を表わした。


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