[原子力産業新聞] 2003年6月19日 第2190号 <5面>

[北陸電力] 志賀1での水漏れ対策報告

 北陸電力は13日、定期検査を実施中の志賀原子力発電所1号機(BWR、54万キロワット)のタービン建屋内で5月31日に発生した水漏れについて、原因と再発防止策をまとめた報告書を石川県と志賀、富来両町に提出した。保守作業手続要領に定められた作業票をやり取りせず、口頭で不明りょうな連絡をしていたことが一因になったという。今回の水漏れは、「イオン交換樹脂再生系」の点検にあたって配管内の水を抜く作業をしていたところ、配管内に残った水が作業員8名の衣服等にかかったというもの。汚染検査でいずれも問題ないことがわかっている。

 一連の経緯について報告は、水漏れが発生した点検とは別の機器を点検していた部署との間の連絡が口頭で不明瞭だったことをあげた。先に点検を行っていた部署からは口頭で「残水がある」とだけ連絡し、残水の量などを伝えなかったため、連絡を受けた部署の課員は残水が少量と思い込み、当初計画通りに水抜きを始め、40リットル(バケツ2杯分)の水が飛散したとしている。

 同社は、再発防止のため当初計画に変更のあった場合の連絡徹底ととともに安全処置上の重要情報がある場合は、口頭ではなく、作業票に明記することを保守作業手続要領に明文化することにした。


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