[原子力産業新聞] 2003年7月3日 第2192号 <4面>

[運転速報] 6月利用率は46.9%へ上昇

 日本原子力産業会議の調べによると、6月のわが国の原子力発電所の設備利用率は46.9%と、前月より3.2ポイント改善し、上昇傾向に転じた事が明らかになった。時間稼働率も47.6%と、前月比約2.3ポイントの上昇。6月中に5基が定検等を終了した事が、状況の好転に大きく影響したようだ。

 炉型別では、PWRの利用率は84.1%で、5月比で約7ポイント上昇。一方、BWRは19.6%と、同0.7ポイント上昇している。

 5月に柏崎刈羽6号機が運転再開した東電では、同7号機が格納容器漏洩率試験を終了し、6月20日に運転を再開した。夏の高需要期を控えて、他の発電所の運転再開に期待がかかる。

 6月中に定検入りをしたのは、敦賀1、大飯4の2基。期間中、BWR5基を含む20基が、利用率100%以上を達成している。

 6月に設備利用率が高かった電力会社は、日本原子力発電が先月の101.4%に引き続き93.3%の高利用率をマーク、次いで九州電力の90.5%、関西電力の82.1%、四国電力の74.5%だった。

 原子炉別では、先月に引き続き高浜1号機が104.6%と最も高い利用率を達成、次いで先月と同じく伊方3号機(104.5%)、高浜3号機(103.7%)。高浜発電所は、運転中の1、2、3号機とも103%を超える高利用率だった。BWRでは、女川3号機(=写真)が103%をマーク。敦賀2号機も102.8%だった。

米国の5月利用率は82.5%

 米国の原子力エネルギー協会(NEI)の調べによると、5月の米国の原子力発電所の設備利用率は82.5%で、昨年同期を2.2ポイント下回った。1月〜5月の利用率は84.1%で、前年同期比3.1ポイントのマイナスとなった。


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