[原子力産業新聞] 2003年7月17日 第2194号 <1面> |
[東京電力] 福島第一6号機が運転再開4月15日から原子炉を停止し、格納容器漏えい率検査を実施していた東京電力の福島第一原子力発電所6号機(BWR、110万キロワット)の運転再開をめぐり、勝又恒久東電社長の訪問を受けた佐藤栄佐久福島県知事は10日、再開を容認した。これを受け東電では、11日15時から原子炉再起動を開始、13日10時6分、約3か月ぶりに発電を再開した。東電の原子力発電所で再起動を果たしたのは3基目、福島県内では初の再起動となる。 4月15日に、格納容器漏洩率検査を行うために停止した福島第一・6号機の発電再開を巡っては、5月に福島県内の立地地域8か町村でつくる「双葉地方エネルギー政策推進協議会」が、国や佐藤栄佐久福島県知事および、加藤同県議会議長に対し、「(県内の全基が停止という)異常事態から1日も早く脱却することを強く期待する」との要望書を提出。また6号機の格納容器漏洩率検査を無事に終了したことを受け、経済産業省原子力安全・保安院は6月1日、「安全宣言」を行っていた。 その後、福島県議会も全員協議会で、6号機の再稼働を認めることで大筋合意し、佐藤知事は今月3日、福島市内で県内原子力発電所の運転再開の判断材料のひとつとして、「県民の意見を聴く会」を開催。10日に東電の勝俣恒久社長と県庁内で会談を行い、再発防止に向けた東電の姿勢に一定の評価を示した上で、再稼働の準備が整っている同6号機の運転再開の受け入れを表明した。 平沼赳夫経済産業大臣は11日閣議後の会見で、記者団からの「福一・6号機運転再開が首都圏電力事情に与える影響は」との質問に対し、「非常に良かったと思っている」とする一方、過去のピーク時の実績に言及し、「新たな稼働を加えても需給は厳しい面がある」と、電力危機回避には、まだ遠いとの所感を表明。「1基でも立ち上がるように、安全確認を厳重にしながら努力をしていきたいと思っている」と述べた。 |