[原子力産業新聞] 2003年7月17日 第2194号 <2面>

[英政府] BNFL部分民営化断念

英国のP・ヒューイット貿易産業大臣は7月3日、政府が国営の英国原子燃料会社(BNFL)の部分民営化計画をこれ以上継続しないとする声明を書面にて議会に提出、政府の所有するBNFL株式の一部を民間に売却する方針を断念した。

同大臣は声明の中で、2001年の検討開始以来、BNFLの主要ビジネスや原子力産業界、政府による英国の汚染浄化市場を、競争原理下に置く努力は、多いに進展したと指摘。政府としては、原子力デコミッショニング機構(NDA)設立後にBNFLの49%を民間に売却する、部分民営化計画を継続しないことを決定したと述べた。

NDAは、英国の公的機関が保有している放射性廃棄物など負の資産を管理・浄化することを目的に、2005年に設立が計画されている公的機関で、当面はBNFLと英国原子力公社(UKAEA)の原子力施設を対象とすることになっている。英国政府は6月24日にNDA設立法案を発表している。

ヒューイット大臣によると、部分民営化断念の政府決定を受けて、政府とBNFL役員会は、合同評価チームを結成し、部分民営化に代わる同社の戦略を検討することを決めた。同チームは、8月からBNFLの新最高経営責任者に就任するM.パーカー氏が委員長を務め、この秋にも報告書を取りまとめることにしている。


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