[原子力産業新聞] 2003年7月31日 第2196号 <2面> |
[東北電力] 女川1号機が発電再開東北電力の女川原子力発電所1号機(BWR、52万4000キロワット)は23日、宮城県、女川町、牡鹿町ほか関係自治体の運転再開容認を受け、同日18時、約10か月振りに原子炉を起動。29日8時に発電を再開した。同プラントは昨年9月からの定期検査中、炉心シュラウドに「ひび」が発見されていたが、5年後でもシュラウドの強度が保たれる事が国によって確認されたため、そのままの運開となった。シュラウドひびの補修を行わずに起動を果たした原子炉は、わが国初。 昨年9月からの第15回定検において発見された、再循環系配管および炉心シュラウドについて、再循環系配管は、全て新しいものに交換済み。一方炉心シュラウドについては、東北電力はその健全性に関する自社評価を原子力安全・保安院に報告を実施しており、2月18日の原子力安全・保安部会原子力発電設備の健全性評価等に関する小委員会において、「5年後でもシュラウドの強度は十分保たれ、現時点で補修の必要はないが、今後適切に点検を行い、ひびの進展状況を確認する必要がある」との評価を受けている。またシュラウドを現状のまま運転を継続することについて、発電用原子力設備技術基準特殊設計施設認可も取得済みだ(左下に関連記事)。 23日に原子炉を起動した女川1号機は、発電再開に先立ち25日早朝からタービンの調整運転を実施したところ、低圧タービン(B)の軸振動が警報設定値以下であるものの、通常の値より大きかったことから、原子炉およびタービンを停止し、タービンのバランス調整を実施。また26日には宮城県北部を震源とする地震が発生したことから、原子炉再起動に先立ち電気・機械設備全般についてパトロールを行い、設備の異常がないことを確認した後の28日に原子炉を起動し、29日8時、発電を開始した。 現在女川1号機は、定検の最終段階である調整運転を実施中。東北電力によれば8月中旬に経済産業省による最終検査を受けて、定検を終了する予定という。 |